イノベーションを促進し、創造性を引き出すために設計されたスコットランドのダンディー大学ダルハウジービルは、2007年にダンディー建築家協会によって「ベストコマーシャル/パブリックビルディング」に選ばれた。 ダンディー大学では2018年はじめ、学習スペースの整備を計画し、AVインテグレーターであるStreamtecの協力のもと、複数の教室を統合し、最大89名が学習可能な多機能コラボレーションスペースを整備した。 この新しい学習スペースは、単一または複数のグループで協働学習をする他にも、個々の学生が自習スペースとして利用したり、オンライン試験にも使えるように設計されている。 協働学習時には、グループ内や複数のグループ間においてお互いの画面を共有したり、課題ファイルを配布するなど、容易に情報の共有をすることができる。
今回、採用されたヴォルフビジョンのvSolution MATRIXアクティブラーニング・ソリューションは、ISE 2018、および、その後にロンドンで開催されたLTSMG(The Learning and Teaching Spaces Managers Group) WolfVision Technology Dayへの参加を通して、この学習スペースのコアテクノロジーとして選定された。 教室の「メインシステム」であるCynapは、大学ネットワークおよび各TeamMate WorksZoneテーブルの19インチラックに取り付けられた13台の Cynap Coreユニットに接続されている。 各テーブルには、モニターマウントと48インチPanasonic 48LFE8Eディスプレイが装備されている。
資料等のコンテンツは、大学ネットワークを介してこれらディスプレイ間で容易に共有され、 データ処理はすべてCynapによって行われる。 このCynapの利点は、システム構築の上で必要となるエンコーダー/デコーダー等のハードウェアの必要性が削減され、シンプルな構築が可能になることである。 このプロジェクトの主な目的の1つは、学生が、必要に応じて個人学習と協働学習とを容易に切り替えることができる環境を提供することであった。 例えば、別のユーザーのコンテンツを表示するには、テーブルにあるExtron TLP Pro 7インチタッチパネルのソースボタンを押すだけで画面を切り替え、共有することができる。
各学生ステーションに備えられたCynap Coreは、クラウドサービス、内蔵Webブラウザー、およびネットワークドライブへのアクセスが可能で、さらにはアノテーションやホワイトボード機能を備えている。加えて、ワイヤレスミラーリング機能も備えており、学生が各自のモバイルデバイスを画面表示し共有することができる。 Cynap Coreの最大の利点は、AirPlay、Chromecast、Miracastの各ミラーリングプロトコルに対応しているため、接続するための専用アプリや追加ソフト、あるいは専用ドングルを使う必要がないことである。 このため、ラップトップ、スマートフォン、タブレット等メーカーやモデルを問わず、すべての学生が容易に接続することができる。
vSolution MATRIXソリューションについてDouglas McLeod氏は、さらに次のようにコメントしている。「私たちのデザイン要件に合致した効果的なソリューションを導入することができました。また、開発ロードマップやファームウェアの更新に伴い、将来にわたって追加される新機能は、このシステムの優れた特徴です。」 また、導入プロセスについては、「事前にテスト機器を使って検証することによって、既存のネットワークインフラ上でシステムが正しく稼働することを確認できました。」と述べている。
すべての学生ステーションに備えられたCynap Coreシステムは、直観的で使いやすいコラボレーション環境をもたらし、教室レイアウトに基づくデザインが可能なユーザーインターフェースであるvSolution MATRIXの「ルームビュー」機能により、教員はドラッグ&ドロップの簡単操作で、学生ステーションと資料を共有したり、課題ファイルを配布することが可能になる。 最後にDouglas McLeod氏は、次のように述べている。「大学における私の役割は、理想的な学習スペースとテクノロジーをデザインし、形にすることです。AVインテグレーターのStreamtecと連携して、TeamMateやWolfVisionなどの主要な企業と有意義な関係を構築し、学生やスタッフに質の高い学習環境を届けています。」